「虹」と「Aqours」と「サンシャイン」
皆さんこんにちは、たじと申します。いつも読んで下さっている方はお忙しい中いつもありがとうございます、初めての方は初めまして、そしてお忙しい中来ていただいてありがとうございます。今回初めて考察系の記事を書くことにしました。自分なりに色々と考えましたので、最後までお付き合い頂けるとありがたいです。
それではいきなりですが…
ラブライブ!サンシャイン!!における虹の持つ意味って何でしょう?
一般的に虹の持つ意味は何か、と調べてみると「吉兆」や「幸運」、「物事が好転する予兆」などといった意味を持つようです。とは言うものの、他にも様々な意味合いを持つように思えますので、虹の持つ意味はこれだ、という定義はないように感じられます。あえて言うとすれば「プラスの意味を持つ何か」でしょうか。
そんな、色んな解釈の出来る「虹」という存在ですが、「ラブライブ!サンシャイン!!」ではどのような意味で使われているのでしょうか?
このことについて、先日、「ラブライブ!」の公式ツイッターのある一つのツイートをきっかけに自分なりの納得した結論を見出すことができましたので、それをブログとして今回書こうと思います。
「自分なり」とは言っても、もしかしたら今回書く内容に類似したことを考えていらっしゃったり、ツイート等されている方もいるかもしれません。そのような方がもしこの記事をお読みになって、気分を害されることがありましたら申し訳ありません。また、少なからずこじつけ、劇場版のネタバレ等あるとは思いますので、そういったところはご了承下さい。それらをご理解頂いた上で読んでくださると幸いです。それでは参りましょう。
1. 「ラブライブ!サンシャイン!!」と「虹」
まず、本題に入る前に「ラブライブ!サンシャイン!!」と「虹」の関係についておさらいしておきましょう。そもそも、「虹」というものがAqoursの物語に出るようになったのは、一番早いところで「君のこころは輝いてるかい?」のPVに出てきたステージでしょうか。ここではまだかかり切っていない虹が出てきています。
一応動画も載せておきますね。
また、TVアニメ2期では#3が「虹」という題名であると同時に、物語の終盤では虹の描写がありました。
2期の#13ではAqoursのメンバーが廃校になってしまう母校の中庭に9色の虹を描いていました。
そして、WONDERFUL STORIESを歌い終わったところでも虹がかかりましたね。
2期に関しては、おそらく他にも虹が明確に描写されている場面は私がここで紹介したところ以外にもあると思います。
劇場版に至っては、サブタイトルが「Over the Rainbow」となっている上に、虹の描写もはっきりとありましたので、特に深く申し上げなくても大きな関係性があることはご理解いただけるかと思います。
ここで少し疑問に思った方もいらっしゃるかもしれませんが、1期ではどうだったのでしょうか。
1期に関してなのですが、私が一通り見返してみたところ、虹が物語に関係してくるようなことはほとんどありませんでした。
細かいところを言えば、太陽の描写の際に出てくるフレアやゴーストといったものと、1期#4「ふたりのキモチ」冒頭の花丸ちゃんが自分の空想世界(?)に浸る場面でほんの少しだけ出ていただけで、2期および劇場版のように大きく取り上げられていることはありませんでした。
なぜでしょうか。
これに関しても後程触れようかとは思いますが、とりあえず今の段階では「虹とラブライブ!サンシャイン!!はいろいろと関係があるんだなぁ」ということを認識しておいていただければ大丈夫です。
2. 「虹」のでき方
本題に入る前にもう一つ。
「虹」はどのようにしてできるのか、ということについて簡単に説明をしておこうかと思います。ご存知の方も多いかとは思いますがこの後の話でかなり使いますので、どうかお付き合いください。
「プリズム」、あるいは「プリズム現象」という言葉をご存知でしょうか。
白色光をプリズムと呼ばれる主にガラスなどの透明なもので作られた多面体に通すと7色の光に分解される現象です。下の写真のような現象を想像していただければいいかと思います。
D-Kuru from Wikimedia Commons
ここで一つ疑問が生じます。
なぜもともとは白いはずの光が七色に分かれてしまうのでしょうか。
それは、一つは「白色光」というものは「可視光(人の目で見える波長の光、平たく言えば色がついて見える7色の光のこと)」が混ざった光であるということ、もう一つは色によって波長が違うということが大きな理由となっています。
従って、7色の光が混ざった白色光をプリズムに通すと、波長の違いからそれぞれの色の光に分解される、という訳です。
逆に、波長(色)の違う光を合成させれば白色光になります。
そして、虹はこのプリズム現象が自然界で起こった際に見られます。
具体的に申し上げますと、「太陽光」が「白色光」の役割を、大気中の「水滴」が「プリズム」の役割を担っていると考えていただければ結構です。
少々頭の痛くなる話だったかと思いますが、
「白色光をプリズムに通すと7色に分かれる。その逆もしかり。」
「虹においては太陽光、水滴がそれぞれプリズム現象における白色光、プリズムの役割を担っている。」
というところだけ認識していただければ大丈夫です。
3. 「虹」と「Aqours」と「サンシャイン」
ここまで、ラブライブ!サンシャイン!!と虹との関係、そして虹のメカニズムについてお話をしてきました。
ここから、これらの事実を利用しつつ、本題に入りたいと思います。
まず冒頭で申し上げました、「ラブライブ!サンシャイン!!における虹の意味」について自分なりに納得した結論を導き出すきっかけとなった公式アカウントのツイートをご紹介させていただきます。
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— ラブライブ!シリーズ公式 (@LoveLive_staff) 2019年1月28日
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劇場版の音楽もTVアニメシリーズに引き続き、加藤達也さんが担当🎉
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こちらの劇場版のOSTの宣伝ツイートです。
一見するとただの告知のように思われるのですが…
注目していただきたいところは、このOSTのアルバム名です。
「Sailing to the Rainbow」となっています。
このタイトル、1期のOSTのアルバム名にそっくりですよね。
1期のOSTのタイトルは
「Sailing to the Sunshine」でした。
何が申し上げたいかというと、
「Sunshine」が「Rainbow」に変わっているんですね。
それ以外のところは同じであるにも関わらず。
勘のいい方でしたらもうお分かりかもしれませんが、「Sunshine」、すなわち「太陽光」が「Rainbow」、すなわち「虹」に変わる現象については先ほどご説明しました。
太陽光(白色光)をプリズムに通すと虹、すなわち別々の色ごとに分かれる。
何を申し上げたいかといいますと、まず「光」とは「輝き」を表していると考えて下さい。
ラブライブ!サンシャイン!!においては、「輝き」とは「ある目標に向かって進んでいく道のり」のようなものであると捉えられていると思います。
すなわち、「9人の少女たちがAqoursとしてラブライブ!優勝を成し遂げた道のり」が「Sunshine(太陽光)」であり、アニメ内で出てきた9色の虹は「9人がAqoursとしての活動を終えた後、それぞれが歩んでいく道のり」のことを指しているのではないか、とこのツイートをきっかけに考えました。
ここでまた一つ疑問に思う点があるかもしれません。
「プリズム」はどこに行った?
太陽光が色ごとに分かれるためにはプリズムがなくてはなりません。
それではプリズムの役割を担っているものは「ラブライブ!サンシャイン!!」においては何のことを指しているのでしょうか。
虹のしくみについてのお話に戻りますが、虹ができるタイミングは雨上がりで、太陽光が大気中の「水滴」を通ることによって生じると申し上げました。
そして、この「水滴」が「プリズム」の役割を担っていると…。
少しピンと来た方もいるかもしれません。
「水滴」、すなわち「水」ですね。
「水」をラテン語にすると「Aqua」になります。
そして、「Aqours」というグループ名はこの「Aqua」をもとにして名付けられています。
つまり、「プリズム」の役割を担っているものは「Aqours」であると考えられます。
これを踏まえて改めて私が言いたいことをまとめます。
「ラブライブ優勝、廃校阻止という目的を果たすため、9人の少女たちはひとつのグループ、Aqoursとなって努力を続けた」(サンシャイン)
「そして、廃校阻止はかなわなかったものの、ラブライブ優勝という目的を成し遂げた9人の少女たちはAqoursでの経験を糧にして」(プリズム)
「今度はそれぞれの目標に向かって進んでいく」(虹)
といった感じでしょうか。
このように考えると、アニメ1期で虹の描写がほとんど無かったことにも納得できるかと思います。なぜなら、アニメ1期は「始まりの物語」ですから、終わった後の話をするのに使われる虹を大きく取り上げるには早すぎるからでしょう。
「君のこころは輝いてるかい?」に関しては歌詞にもある通り、「まだ夢に気づいたばかり」だからかかりかけの虹になっているのでしょう。
2期以降に関して、ようやく3年生の卒業、ということもあり少しずつ物語に関係してくるレベルまで取り上げられるようになっていったのではないかと考えます。
もちろん他の意味もあると思いますけどね(笑)。
それと最後にもう一つ。
なぜ「輝き」を示すために「サンシャイン(太陽光)」が用いられるのでしょうか。
「輝き」というものを示すものは「サンシャイン」以外にも沢山あるはず…。
それなのになぜ「サンシャイン」なのでしょうか。
この疑問についても先ほどの「虹の仕組み」のところでの考えを使っていこうかと思います。
そこで私は白色光は色んな色の光が混じりあってできた光と申し上げました。また「色の違いは波長の違い」ということも申し上げました。
波長とは、いわば波の個性のようなものです。
「個性」と聞くと2期2話の「雨の音」を想像される方もいるかもしれません。
この物語は作曲を通して1,3年生がお互いのことを理解しようとするも、個性の違いに直面してしまい、どうしても作業が進まなくなってしまいます。そんな中、雨宿りで入ったお寺の中で、雨漏りが起きてしまいます。その雨漏りを防ぐために置いた容器が奏でる様々な音色をヒントに、楽曲づくり、さらには1,3年生の相互理解が進んで行く、といった物語でした。
細かいあらすじは省略しますが、この物語の終盤で以下のようなセリフがありました。
「テンポも音色も大きさも」
「一つ一つ全部違ってバラバラだけど」
「一つ一つが重なって」
「一つ一つが調和して」
「一つの曲になっていく」
「まる達もずら」
ラブライブ!サンシャイン!! 2期 #2雨の音 より
音も人間も、一つ一つの個性はバラバラでまとまりのないものの様に思われるかもしれません。しかし、それらが合わさると各々の個性が調和しあって素晴らしいものが生まれる。
個性があるからこそそれらが集まった時に、自分ひとりの時以上に輝くことができる。
これを光に適用してみましょう。
個性の違う7つの光、すなわち色の違う7色の光を混ぜるとどうなるでしょうか。
それは、プリズム現象の逆を考えてみると分かるかと思います。
色(波長)の違う光を混ざり合わせると、白色光になります。
すなわち太陽光と同じものが生まれます。
Aqoursは9人いて、それぞれ個性を持っています。
そして、それぞれメンバーカラーを持っています。
その9色の光を集めれば、太陽の様に光り輝くことができる。
そんな思いが「サンシャイン」という言葉には込められているのではないでしょうか。
だからこそAqoursの物語においては、輝きを示すものとして「サンシャイン」という言葉が選ばれたのではないかと思います。
4. まとめ
ここまで、「ラブライブ!サンシャイン!!」と虹の関係、虹のでき方、そして「虹」と「Aqours」と「サンシャイン」のそれぞれの意味について話をしてきました。
私が申し上げたいことについてまとめますと、「ラブライブ!サンシャイン!!」における虹の意味は、3でもお話しましたが、キャラクターにしても、キャストにしても、「Aqoursとしての活動を終えた後に歩んでいくそれぞれの未来」のことを指しているのかな、と私としては思っています。
Aqoursの活動が終わっても、キャラも、キャストも、スタッフの方々も、沼津も、そして私たちも、それぞれの未来を歩んでいくことになるでしょう。
そして、その道のりは決して平坦なものではないでしょう。きっと良いことだけでなく、つらいことも待っているはずです。
そんな時、このAqoursと過ごした日々は、自分を支えてくれるものの一つとなってくれるのではないでしょうか。
劇場版で言っていたように、全部心の中に残って、決して消えることのないものですから。
そして、最後となりましたが、ここまで読んで頂き、本当にありがとうございます。自分の浅はかではありますが、持てるだけのラブライブの知識とそれ以外の知識を最大限に使って書いた記事ですので、読んで頂いただけで本当にありがたい限りです。
それともう一つ。
今回話題にした「虹」という言葉ですが、かなり色々な意味を持つ解釈の範囲の広いものだと思います。従って、私がここで話したもの以外の意味の取り方もあると思います。ですから、私がこのブログで書いた内容にとらわれずに、各々で自分なりに納得できる解釈を見つけてみるのも面白いかもしれませんね。
少々長くなってしまった上、拙文ではあったかと思いますが、改めて最後の最後まで読んで下さって本当にありがとうございます。
次の更新も自分が書きたいときに書きますので、いつになるかは分かりませんが、またお会いしましょう!
本当にありがとうございました!
たじ